心理学の中に「進化心理学」というジャンルがあります。
石器時代に狩猟採集民だった私達の祖先が、環境や生存競争に適応した結果、現代の私たちの心の仕組みが形成されたと考えます。
そんな、祖先の心に代々刻み込まれた習性が、女性の恋心を操っているのかもしれないとのこと。
サマリーをシェアします。
2018年、専修大学の大久保街亜准教授を筆頭著者とする国際研究チームが、女性にとって魅力的な男性を判断する際の笑顔の効果を調査した研究結果を発表しました。
研究には、日本人、ノルウェー人、イタリア人の、合わせて218名の女子大生が参加しました。
参加者は短期交際(デートに出かけるボーイフレンド)グループと、長期交際(結婚相手)グループに振り分けられ、それぞれ自分の民族の男性の、笑顔の写真と真顔の写真を観察し、魅力度を7段階で評価しました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、東アジア人でもヨーロッパ人でも、男性の笑顔は、長期的な関係(結婚相手)において魅力を高めることが分かりました。
2、長期的な関係において笑顔は、男性的魅力に欠けるものの、信頼感や大人っぽさがあると評価されました。
3、しかし、短期的な関係(デートに出かけるボーイフレンド)においては、男性の笑顔は効果が見られませんでした。
4、短期的な関係を求める女性は、真顔に男性的魅力を感じていました。
5、進化心理学の観点から、これらの特性は種族の繁殖させるべく、二つの交配戦略が進化したためと考えられます。
6、長期戦略では、女性は子育てを手伝ってくれる優しい人を探すようプログラムされているため、笑顔の男性を魅力的に感じると考えられます。
7、短期戦略では、女性は男性的な人の方がより優秀な遺伝子を持っていると考えるため、真顔の男性を魅力的に感じると考えられます。
出典:Evolutionary Psychology
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1474704915600567
男女の恋愛問題を大学で真面目に研究しているとは意外でした。
つまり女性は、恋愛相手には、キリッとクールでマッチョなタイプを選んでおきながら、結婚相手としては、ニコニコ笑顔で優しいパパさんタイプを選ぶとのこと。
なんとも身も蓋もない研究結果です。
恋愛において、真面目で心優しい男性よりも、粗野で身勝手な男性のほうがモテるなんて、切ないです。
子育て戦略の為とはいえ、女性の脳が、1万年前からこんな風に適応したなんてどうやって調べたのでしょう?
でも確かに私の事例で言えば、過去に恋愛の延長で結婚した相手は全く家庭向きじゃない人でした。
結婚したら変わると期待したけどダメでしたので、認めるのは痛いけど、理論通りということになります。
ちなみに他の研究によると、男性は、短期的なデートのお相手としても、結婚相手としても、献身的で良く笑う女性を選ぶらしいですよ。
やっぱり笑顔って最強。
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