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ネガティブな感情を受け入れて幸せになる

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現代社会では、相手の無礼な振る舞いに腹が立った時や、ミスをして落ち込んだ時に、ネガティブな感情に気づかないふりをしたり、想いを封じ込めたりすることがあります。

 

しかし、心理学の研究によると、自分のネガティブな感情を受け入れている人ほど、心理的な健康状態が良いそうです。

 

サマリーをシェアします。

 

2017年、カナダ トロント大学のブレット・フォード博士を筆頭著者とする、ネガティブな感情への対処法と心の健康との関係を調べた、3つの研究結果が発表されました。

 

一つ目の研究では、1,003人の大学生を対象に、感情のコントロールと心の健康に関するアンケートを行いました。

 

二つ目の研究では、156人の参加者に、ストレス要因となる「人前でスピーチする」という課題を与えた上で、自分のコミュニケーション能力について話してもらいました。

 

三つ目の研究では、様々な人種や経済的背景を持つ222人の参加者に、最もストレスを感じた経験についての日記を2週間書いてもらいました。その6ヶ月後にアンケートを行って、心理的幸福度を測定しました。

 

結果、次のようなことがわかりました。

 

1、一つ目の研究で、ネガティブな感情を受容することは、不幸感を軽減するだけでなく、幸福感を高める可能性が高いことがわかりました。

 

2、二つ目の研究で、ストレスがかかった精神状態を受容している人は、自分についてのネガティブな気持ちを話さない傾向にありました。

 

3、三つ目の研究で、日記に書かれた出来事が深刻なものであれ比較的軽微なものであれ、判断や批判をせずに暗い気分に身を任せ、感情を受容する習慣のあった人は、そうでない人と比較して幸福度が高い結果となりました。

 

4、ネガティブな感情に強く抵抗したり、過剰に反応したりする人は、より強いストレスを感じていました。

 

5、ネガティブな感情を受容する習慣は、ストレスのかかる出来事に対する感情的な反応を鈍らせる効果があり、結果的に人生の満足度を高めるとわかりました。

 

6、なぜ受容がこれほどパワフルな効果をもたらすのかは、まだ解明されていませんが、ネガティブな感情を受容すると、ネガティブな感情にあまり注意を払わなくてすむのかもしれません。

 

出典:Journal of Personality and Social Psychology

 

https://doi.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fpspp0000157

 

 

この研究に出てくる「受容」とは、いじめや虐待を容認することや、理不尽な仕打ちを許すこととは違います。

 

不安、悲しみ、恥、罪悪感、恐怖、苦悩、嫉妬、怒りなどの感情が生じたとき、そういうネガティブな感情が生じたことを否定せず、認めるということです。

 

私の経験談ですが、仕事で企画の提案が通らなかった時に「あ、今わたし、上司に期待通りの返事がもらえなくてイライラしてる。まだまだ器がちっちゃいなー。」とネガティブな感情を認めてみました。

 

そして、無理やり気分を上げるようなことはせず、イライラしたままでも作業ができる書庫の書類整理に精を出してみました。

 

一旦ネガティブな感情を認めることで、「それにしても痛いところを突かれちゃったな。確かに詰めが甘かった。」と冷静に戦略を立て直すことができました。

 

こうすれば、いつまでもめそめそと落ち込むこともなければ、心の中でふつふつと怒りの感情が増幅することもありません。

 

長い目で見れば確かに健康的ですね。

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