信頼していた子どもが嘘をついていたら、親としてはショックを受けてしまいます。
たわいもない嘘ならば、子どもが順調に成長のステップを進んでいる証と言えなくもありません。
しかし人を騙してはいけないことは、理解してもらわなくては困ります。
嘘をついた子どもを罰するのは、親だって胸が痛みます。
できれば子どもが嘘をつきたくなくなるような環境を整えたいものです。
心理学の研究では、相手の目を見ることで、嘘を減らせるとのこと。
サマリーをシェアします。
2018年、フィンランド タンペレ大学のジョンネ・ヒエタネン博士を筆頭著者とする、視線が不誠実な行動を減少させることを調べた研究結果が発表されました。
研究では、参加者に嘘をつくゲームをしてもらいました。
参加者は、コンピューターゲームの中で嘘をつくかどうかを選択します。
その後、対戦相手の顔をコンピューター上で見ることができます。
対戦相手の画像は、「目を直視する画像」と「目を下向きにそらす画像」を交互に使用しました。
最後に、選択した通りの行動を取ったかどうかを調べました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、相手から直接目を見られた人は、その後のゲームで嘘をつきにくくなる傾向がありました。
2、他人から目を直視されると、嘘を減らせることがわかりました。
3、この結果は、日常的な場面や専門的な場面でも意味を持つと考えられます。
出展:Consciousness and Cognition
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1053810018304124?via%3Dihub
「目は心の窓」という言葉があるくらいですから、想定通りの結果です。
問題は、日本人は相手の目を見て話すのが苦手だということ。
もし、親が真剣な顔で目を覗き込んで来たならば、子どもは「怒っている」と思い警戒してしまうでしょう。
せめて親子で大事な話をするときくらいは、ちゃんと目を見て話し合えるような関係でありたいものです。
もしも、ちゃんと目を見て話し合った上で、子どもが嘘をついているとわかったら?
私の経験では、頭ごなしに責めないことって大事です。
子どもの嘘を全否定してしまうのは、厳格すぎる気がします。
愛を育む家庭の中は、警察の取調べ室でも裁判所の法廷でもありません。
子どもの苦し紛れの嘘を大目に見てあげるのも、状況によってはアリだと思っています。
信頼関係があれば、親が気づかないフリをしていることで、子どもはちゃんと反省してくれますから。
その上で、スルーしてはいけない嘘があるのも事実です。
どうして子どもは嘘をつかざるを得ない状態に陥っているのか?
その背景にどんなトラブルが隠れているのかを、辛抱強く探っていくのは骨の折れる作業ですが…。
実は、子どもが深刻な悩みを抱えているのかもしれません。
ひょっとすると、心の病気で苦しんでいるのかも。
あるいは、愛情に飢えている可能性もありますね。
つまり子どもの嘘は、何らかの支援を求めるサインの場合があるのです。
未熟な子どもを、親としてしっかり守ってあげたいですね。
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