仕事でも家庭でも、楽しい気分は長く続いて欲しいし、悲しい気持ちは早く忘れ去ってしまいたいもの。
でも、実際のところは、思うようにはなりませんよね。
そんな様々な感情の、持続時間を調べた研究があります。
サマリーをシェアします。
2014年 ベルギー ルーヴェン・カトリック大学のフィリップ・ヴァ―ダイン教授らによる、感情の持続時間を調査した研究結果が発表されました。
研究には233名の学生がボランティアとして参加しました。
学生達に最近の感情的なエピソードを思い出してもらい、その感情の持続時間を調べました。
結果、次のようなことが分かりました。
1、27種類の感情のうち、主な感情が収まるまでに要する時間は、平均してこのような結果になりました。
《怒り》:2時間
《感動》:2.5時間
《感謝》:5時間
《喜び》:35時間
《憎しみ》:60時間
《悲しみ》:120時間
2、長時間持続する感情は、本人にとって非常に関心の高いイベントにより発生する傾向がありました。
3、例えば悲しみは、死別など人生に大きな影響を与える出来事と関連している傾向がありました。
4、どのような感情であっても、本人がその出来事を繰り返し思い出すことによって、持続時間が長くなったり、ますます高ぶったりしていました。
出典:Motivation and Emotion
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11031-014-9445-y
感情によって、持続時間が何倍も違うとは驚きです。
もっとも持続時間が長いとされる悲しい出来事が起こったら、ちゃんと向き合って、時間をかけて癒していくことが必要ですね。
ただ、短時間で収まる感情であったとしても、その出来事を何度も思い返すことによって強化され、長く続いてゆくそうですので、一概には決めつけられませんが。
この記事を読んで私がまず考えたのは、「悲しい感情は、出来るだけ回避したいな」ということ。
例えば、人間関係で、とても傷つく出来事があったとします。
そんな時、何も言い返さず、目に涙をためて悲しみに耐えるのが、分別ある大人のような気がしていました。
でもそれだと、「理不尽な目にあった」という悲しい気持ちを5日間も引きずってしまう可能性があります。
もしその場で、「そんな失礼なことをされて、傷つきました!」とすぐ怒って苦情を言ったら?
その不快な気持ちは2時間で手放すことができるのかもしれません。
つまり、悲しんでいるよりも怒っている方が、気持ちを早く切り替えられるのです。
相手と互いに怒りの感情をぶつけ合った後で、スッキリ仲直りできれば万事OKですね。
しかし相手が怒りの感情をこじらせ、長く恨まれるようなことになっては目もあてられませんので、悩ましいところです。
次に私が考えたのは、「ポジティブな感情をいつでも思い出せるようにしておく」ということ。
例えば、大切な子どもの写真をPCの壁紙やスマホの待ち受け画面にしておくのって、良さそうです。
PCやスマホを見る度に、子どものあどけない仕草や無邪気な笑顔の記憶が呼び起こされて、喜びの感情が強化されますから。
そして、「生まれてきてくれてありがとう」という感謝の持続時間も延びていきますから、素敵な毎日になりそうです。
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