今はだいぶ変わりましたが、昔の日本では感情を表に出さないのが美徳でした。
私が子供の頃、男の子が人前で泣くのは恥でした。
同級生の男の子が野球の試合に負けて泣いていたりすると、「男の子のくせに人前で泣くんじゃない!」ってよく先生に叱られていたものです。
女の子だって、例えば誰かに褒められ嬉しそうな顔をするのは、はしたないとされました。
ところが最近の心理学の研究では、子どもの感情は抑圧しないほうが良いとのこと。
時代はこんなにも変わったのですね。
研究のサマリーをシェアします。
2019年に発表された、アメリカ、ジョージア州立大学のローラ・G・マッキー博士らの研究によれば、感情を表現することを奨励する親は、より幸せな子供を育てることが明らかになりました。
この研究では、18歳から33歳の256名の大学生を対象に、子供時代にポジティブな感情とネガティブな感情の両方に対して、親がどのように反応したかを尋ねました。
調査の結果、次のことがわかりました。
1、子ども時代に悲しいことがあったとき、親が話を聞いてくれたり、慰めてくれたり、問題解決を手伝ったりしてくれた人は、そうでない人と比較して、より気配りができ、感情を調整する能力が高く、自分自身や世界に対してよりオープンでした。
2、子供時代に親に感情表現をサポートしてもらえた人は、そうでない人と比較して、若年期のうつ病や不安症が減少していました。
3、子供には、自分の感情を理解し、それを上手に社会に適応させる能力を養う必要があります。
4、子どもにこの能力を身に着けさせるための育児スキルは次の3つです。
○親が子どもの話を聞くこと
○親が子どもに安心感を与えること
○親が子どもの問題解決を助けること
出典:Mindfulness(2019)
https://link.springer.com/article/10.1007/s12671-018-1079-9
子どもの感情を抑圧しないって、良いこと尽くしではありませんか!
更に良いことには、親が子供の感情面をサポートすることで、親自身も気配りできるようになるのだそうです。
親が子供の感情面をサポートすることで、子どもが気配りできるよう育つという発見は、重要とのこと。
なぜならば、専門家が育児に介入することで、子どもの気配り力、感情調整力、外向性などを高めるだけでなく、健全な家庭環境の影響を子孫にまで及ぼせる可能性があるからです。
親のひどい仕打ちが子どもを傷つけ、子孫に連鎖してしまうこともあります。
その反対に、親の望ましい子育てが子供を幸せにし、そのやり方を子孫に受け継いでゆくこともできるのです。
希望が持てます。
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