心理学では、親の育て方で子どもの知能を伸ばすことは可能とされています。
子どもの持って生まれた知能をより向上させるため、巷には沢山の教育法があふれています。
本や雑誌ごとに、様々な手法が紹介されていて、一体どれが正しいのか迷ってしまいます。
それらを科学的に検証すると、どんな結果になるのでしょう?
研究のサマリーをシェアします。
2013年、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のジョン・プロツコ博士らは、出生時から幼稚園児までの子どもを対象とした、子どもの知能向上に関する分析結果を発表しました。
プロツコ博士らは、3件以上の研究で、同様の方法が検証されている場合、メタ分析(複数の研究結果を統合し、より高い見地から分析すること)を行いました。
それ以外の場合は、見直しを行いました。
その結果、次のようなことがわかりました。
1、子どもの知能を高める効果が期待できる方法は、次の4つだけでした。
○ 子どもにオメガ3脂肪酸系のサプリメントを与えること
○ 子どもに対話形式で読み聞かせをすること
○ 子どもを早期教育に参加させること
○ 子どもを幼稚園に通わせること
2、子どもにオメガ3脂肪酸を多く含む食品に含まれる、長鎖多価不飽和脂肪酸を与えると、IQが平均3.5ポイント向上しました。
3、子どもを幼稚園に通わせることで、IQは平均7ポイント上昇しました。
4、親に、子どもと一緒に対話しながら本を読む方法を教えると、子どものIQが6ポイント上昇しました。
出典:Perspectives on Psychological Science(2013)
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1745691612462585
たったこれだけとは、意外な結果です。
長鎖多価不飽和脂肪酸とは、脳に多い脂肪酸のことで、乳児の脳や目の網膜の成長や成熟に必要な栄養素のこと。
オメガ3脂肪酸は、イワシ、サンマ、サバなどに豊富に含まれると言われています。
なので子どもを魚好きに育てれば、サプリメントは不要な気がします。
また、本を朗読するのではなく対話形式で読むのは、確かに言葉の発達を促しそうで納得です。
しかし、早期教育や幼稚園について、安易に飛びつくのは早計な気がします。
常に効果があるとは限らないし、最大の効果が出るとの保証もなく、質が問われるから。
少なくとも、外部からの刺激を受けて、環境の変化に晒されれば晒されるだけ、進化、成長の機会が増えるということは言えそうです。
親としては、研究結果はあくまで参考程度にとどめ、子どもに様々な体験をさせたいですね。
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