未カテゴリー

親の離婚が子どもに及ぼす影響を考える

欧米では、離婚した両親の子どもの精神疾患や薬物乱用のリスクが高いことが問題視されています。

 

なぜ離婚がこれらの問題を引き起こすと言えるのでしょう?

 

2020年に発表された海外の論文のサマリーをシェアします。

 

 

アメリカ、ベイラー大学のマリア・ボッシア教授らを中心とした研究で、親の離婚が子どもの神経伝達物質に影響を与えていることがわかりました。

 

研究では、18歳から62歳までの被験者128人に、両親と自分の心理的なつながりや、自身が好む他人との関わり方について質問しました。

 

また、親の離婚歴(親の離婚歴は0歳〜20歳まで)などに関する質問票にも記入してもらいました。

 

その後、オキシトシンの測定のため、尿を採取しました。

 

オキシトシンとは、人間の行動を調節するのに重要な役割を果たす神経ホルモンの1つです。

 

人が抱きしめられたり、絆を深める経験をしたときに、脳内で分泌されます。

 

オキシトシンには、精神の安定や幸福感をもたらす効果があり、社会的行動や、感情的な結びつきに重要な役割を果たします。

 

この調査では、27%の人が、両親の離婚経験者でした。

 

結果、次のようなことがわかりました。

 

1、 子ども時代に両親が離婚した人は、オキシトシン濃度が低いことが明らかになりました。

 

2、彼らは、両親の思いやりが少ないと評価する傾向がありました。

 

3、また、自分の人間関係に自信がなく、安心できないと考える傾向がありました。

 

4、これらの結果から、子ども時代に両親が離婚した人は、大人になってから安心できる愛着を形成するのが難しくなる可能性が示唆されました。

 

出典:Journal of Comparative Psychology

 

https://doi.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fcom0000248

 

ひとり親である私としては、とても悲しくなる結果です。

 

でも、心理学者の研究目的は、ひとり親を責めたり、差別や偏見を増長したりすることではありません。

 

ひとり親家庭で育つ子ども達の心理状態を調査し、必要な支援や対策を検討するためのものです。

 

調査結果に良い悪いはなく、データをどう活用し、人がより幸せになるかを考えるのが大事。

 

私の個人的意見ですが、ひとり親だから愛情が足りないとは一概に言えないと思います。

 

たとえ、「ひとり親の子どもは、オキシトシン濃度が低い」というデータがあったとしても、その原因は、ひとり親だけにあるのではなく、社会や環境の様々な条件が組み合わさっている気がします。

 

ここで問題になっているのは、オキシトシン濃度が下がり、子どもが幸福感や信頼感を感じにくくなっていることであって、それと離婚とは別問題です。

 

ひとり親家庭の子どものオキシトシン濃度が低いとしても、他の工夫で増やすことが可能です。

 

そしてその方法は幾つもありますので、自分達の好みのものを選べば良いのです。

 

親として、子どもの為に出来ることがあるのなら、試して見る価値はありそうです。

 

次回、オキシトシンを増やす方法について紹介します。

↓ポチっと応援お願いします↓
にほんブログ村 子育てブログ シングルマザー育児へ にほんブログ村 子育てブログへ

 

↓いいね を押していただけますと励みになります

-未カテゴリー