自分に起こることは、運命や他人や環境によるものだと考えるのか?
それとも、物事の結果は自分の行動次第と考えるのか?
心理学では、これらのパーソナリティー傾向を測定することができます。
近年の研究では、母親のタイプが子ども自身の性格や成績に大きな影響を及ぼすそうです。
気になりますので、サマリーをシェアします。
2019年、イギリス、ブリストル大学のジーン・ゴールディング教授らは、母親のタイプと、子どもの学業成績との関連を示す研究結果を発表しました。
1991年4月1日から1992年12月31日までの出産予定日を持つ、イギリスのエイボン州に在住する14,541人の妊婦を対象に母親の性格、気質、態度のデータ収集が行われました。
そして、母親の子育て方法と、8歳、10歳、12歳になった時点での子どもの学力が追跡調査されました。
結果、次のようなことがわかりました。
1、自分の人生を自分でコントロールできていると感じている母親は、より賢い子どもを育てていました。
2、この特性を持つ母親は、自分の身に降りかかることを、運命や他人のせいにしない傾向がありました。
3、その代わり、物事の結果は自分の選択と行動次第だと信じる傾向がありました。
4、子育てにおいても、母親である自分の行動が子どもに影響を及ぼすと考えていました。
5、そのため、健康によい食事を与え、絵本の読み聞かせを行い、子どもの学校の成績に興味を示していました。
6、そんな親に育てられた子どもたちは、よく食べ、よく眠り、自分の感情を上手にコントロールできるようになる傾向が高まりました。
7、彼らは、数学や科学のテストで良いスコアを出し、学校生活に順応しやすく、肥満になりにくい傾向を示しました。
8、子どもの成績には、母親のタイプが関与していると言えます。
出典:Frontiers in Psychology
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2019.00194/full
昨今、デジタル時代が到来し、IT技術の活用力が求められています。
子どもたちが数学や科学に長けていることは、ますます重要視されるでしょう。
母親が、自ら行動することが大切であると考えるタイプの場合、子どもはそんな親の背中を見て育つということ。
それが、子どもの学業や社会生活にも良い影響を与えることが研究で実証されました。
当然、逆のパターンもあるわけですから、親としての姿勢が問われますね。
子どもの成績のため、教育に沢山お金をかける以前に、親としてできることがあるということ。
これを読んで、「ウチの子育ては失敗したからもうダメだわ」と、諦めてしまうなんて早計です。
それこそ、賢い子どもを育てる母親のタイプから、遠ざかってしまうということ。
例えば本の読み聞かせだって、何も小さい子どもだけのものとは限りません。
我が家の子どもは高校生ですが、いまだに文学作品の読み聞かせをすることがあります。
研究結果がどうあれ、自分が親として良さそうだと思うことは、どんどん試してみたら良いのです。
↓いいね を押していただけますと励みになります