一般的に、親が子どもの前で感情的になるのってよくないこととされています。
辛いことがあっても顔に出さず、感情を自制できるのが立派な大人と思われています。
子どももそんな親をお手本に、自制心を身につけていくことが期待されます。
ところがっ。
2019年の心理学の研究で、怒りやイライラなど、ネガティブな感情を子どもに見せたほうが良い場合もあるとの結果が出ています。
サマリーをシェアします。
ポーランドの心理学者、カルウォーヴィチ氏を中心とする研究で、親たちがどのように感情を抑圧しているか、またそのことで親子の関わり方がどのように変化するかを調べました。
この研究では、109人の父親と母親を対象に、ストレスを感じる出来事があった後、子どもと一緒にレゴで遊ぶ様子をビデオ撮影しました。
対象となった親達の半数は、子どもと遊んでいる間、普通に行動するように指示されました。
残りの半数の親達は、ストレス感情を抑えるように指示されました。
調査の結果、次のようなことがわかりました。
1、親がストレス感情を抑えようとしたグループでは、子どもと遊んでいる間、親は遊びに積極的になれませんでした。
2、その子ども達も、親に対してあまり反応せず、遊びに積極的になれませんでした。
3、その様子はまるで、親がイライラした感情を子どもに伝えているかのようでした。
4、この研究によって、親が子どもの前でネガティブな感情を抑えようとしても、子どもは容易に親の感情を拾ってしまうことがわかりました。
出典:Emotion
驚きました。
親としては、自分の不安や怒りなどのネガティブな感情は、子どもに隠すべきと思うもの。
子どもをネガティブな感情に触れさせて、傷つけたくないと思うのは当然でしょう。
でも、実は子どもに、そんな心を全て読まれていたとしたら・・・?
子どもを守るどころか、逆に不安にさせてしまう場合があるということになります。
自分の子ども時代を振り返ってみると、確かに思いたるフシがあります。
親が本音とタテマエを使い分けているのって、子どもなりに丸わかりでしたから。
つまり、子どもは親の微妙な感情をキャッチするのが得意ということ。
もし、親が「何か良くないことが起きた」と感じているのに、その感情を無視して普通にしていると?
子どもは、2つの違う感情を察知し、混乱してしまうでしょう。
私自身の経験で言うと、子どもと一緒に過ごしていても、悩み事が頭から離れない時期がありました。
自分では普通に振舞っていたつもりでしたが、子どもにはうわの空なのがバレバレで、追求されたことがあります。
当時子どもは「自分のせいかも?」と心配し、胸を痛めているようでした。
なので恥ずかしかったけど正直に、「実は職場の人間関係で悩んでいる」と打ち明けました。
そんな風に、子どもに親のネガティブな一面を見せるのもアリということになります。
親が怒りを感じていることを子どもに伝え、状況を良くする為にどうするつもりかを伝えるのです。
その後、職場での人間関係問題は解決したのですが、なんと私は、その一連の経緯を子どもに話していたのでした。
将来子どもが社会人になった際、反面教師として役立つのかもしれません。
少なくとも、「問題とは隠すものではなく、耐えるものでもなく、解決するもの」と知ってもらえただけでも、良しとします。
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