コロナ禍で外出が自粛されている昨今、メンタルヘルスの問題に関心が集まっています。
なんと子ども時代の環境で、将来の精神疾患の発症を抑制できる可能性があるそうです。
サマリーをシェアします。
2020年、デンマークのオーフス大学のクリスティン・エンゲマン博士らは、デンマークの人口における緑地とメンタルヘルスの関連について調査した論文を発表しました。
研究では、およそ100万人のデンマーク人を対象に、主要な精神障害が発生する可能性と、彼らが育った環境における緑地の空間量を、衛星画像を元に推定して比較しました。
その結果、幼少期に緑地が多く存在しているほど、その後の精神疾患のリスクが低くなることが示されました。
研究では、生まれてから10歳までに緑豊かな環境にかこまれている期間が長いほど、成人後に精神疾患を発症するリスクが減少することが示されました。
具体的には、幼少期に緑地が最も少ない環境で育った人は、緑地が最も多い環境で育った人と比較して、その後の精神疾患のリスクが55%も高くなっていました。
緑地は、より高い社会的結束力を生み、身体活動のレベルを高め、認知機能の発達を向上させることができます。
緑豊かな都市計画は、都市の住民のメンタルヘルスを向上させるため、より考慮されるべきです。
出典: PNAS
https://www.pnas.org/content/116/11/5188
つまり、子ども時代に緑に触れる機会が非常に重要ということ。
子ども時代の緑豊かな住環境が、将来のメンタルヘルスに影響を及ぼしているとは驚きです。
世界中でますます多くの人が都市に居住するようになりつつあります。
それに伴い、自然環境が、これまで考えられていた以上にメンタルヘルスに大きな役割を果たしているという証拠も増えている印象です。
私たちは、つい便利さを優先してしまいますが、緑地の重要性も念頭に置く必要があるということ。
私自身、通勤途中の庭木や、公園の花壇に季節の移ろいを感じて優しい気持ちになります。
実は、働いている職場のすぐ側に大きな緑地公園があるのです。
昼休みにお散歩することもありますが、自然を身近に感じられる環境は貴重ですね。
便利な都市での生活こそ、意識して生活に緑を取り入れる工夫が必要そうです。
現在コロナ禍で外出が制限されており、子ども達の心のケアが必要と言われています。
本来子どもは外遊びが大好きですから、何らかの対策を考えたいもの。
例えばお部屋にお花を飾るだけでも、その場の空気がぱっと華やかになります。
緑豊かな季節に思いを馳せつつ、せめて自然の美を愛でて和やかに過ごしたいものです。
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