もし望めるのであれば頭の良い子に育てたい。
せめて、子どもの持っている能力を親が潰さないようにしなくては。
私は子どもが小さい頃、こんなことを考えて絵本の読み聞かせに励んでいました。
はたして効果があったのでしょうか?
漢字ドリルや計算問題をこなして知識をつけるのって、点数で結果が見えるのでわかりやすいです。
でも、知識以前の、知能そのものを伸ばすって可能なのでしょうか?
様々な知育教材が出ていますが、当時はよくわかりませんでした。
そんな子どもの知能を高める親の行動について調べた心理学の研究があります。
サマリーをシェアします。
2019年、ヨーク大学のカトリーナ・ダピス教授らの研究で、大人の会話量が多いと、それを聞いていた子どもの認知能力が高まることがわかりました。
2歳から4歳までの107人の子どもたちに小型のオーディオレコーダーを装着し、1日16時間、3日間の音声を家庭内で録音しました。
データ解析の結果次のようなことがわかりました。
1、子どもが1日に聞いた単語の総数や語彙の種類が多いほど、より高い認知能力を持つ可能性が高い。
2、おしゃべり好きな両親に育てられた子どもは、より高い知能を持つ傾向がある。
3、養育者が言葉を話すのを沢山聞いていた子どもは、より高い数理能力を獲得しやすい。
4、親達が質の高い言葉を話し、豊富な語彙を用いていると、子どもたちはより多くの単語を覚える。
出典:APA PsycNet
https://doi.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fdev0000733
子ども達に装着するオーディオレコーダーといえば、人気テレビ番組「はじめてのおつかい」が思い出されます。
子ども達の頑張る姿がいじらしく、毎回涙腺が決壊してしまいます。
あのテレビ番組のように、子ども達がレコーダーを下げて3日間過ごしていたのかと想像すると可愛いですね!
私は知能の高さは生まれつきかと思っていました。
しかし研究によれば家庭環境にも影響を受けるのだそうです。
もし親が必死で子どもに知識を詰め込んでも、子どもがすぐに忘れてしまったら?
なんだか情けない気持ちになってしまいます。
むしろ子どもの知能を高め、子どもが自ら進んで興味を持って学びに熱中する方が親としては理想です。
そうなる秘訣が、家庭の中の日常にあったなんて盲点でした。
そういえば子ども達って、大人の会話をよ〜く聞いているものです。
以前、とあるママ同士のグループで、公園でお互いの子供達同士を遊ばせて、世間話をしていたことがありました。
子ども達はまだ幼くて、時事ネタ用語など全く知らないはず。
なのにその場の雰囲気で、大人の会話内容をだいたい掴んでいたので驚きました。
小さい子どもの脳みそって、まるで乾いたスポンジに水が染み込むかのように知識が入ってゆくのかもしれません。
大人の会話が大事ということは、ひとり親は不利ですね。
毎日一人で子どもの世話をするのが普通ですから、どうしても子どもとの会話ばかりになっています。
ひとり親こそ、ワンオペ育児にならないよう、様々な策を講じる必要がありそうです。
幸いなことに、今は昔とちがって様々な育児サポートサービスがあるし、子育てイベントも豊富です。
最近ではオンライン飲み会も盛んになって、育児中でも大人と会話するチャンスは増えてきています。
子育て中の親であっても、大人社会と繋がることが容易になってきていると思います。
そして研究によれば、子どもの知能を高めたかったら、まず親が知性と教養を高めることが先決です。
知的な会話を楽しめる素敵な大人を目指したいものです。
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