私にはフランス人の友人がいて、コロナ禍の前は仕事や観光でよく日本に来ていました。
その友人は日本に興味津々で、会うたびに日本についてあれこれ質問するのです。
あるとき、こんなことを言われました。
「日本人って、血液型で性格が4タイプに分かれているっていう迷信を信じているんでしょ?」
ええっ。迷信じゃなくて統計だよ。実際、当たっていると思う。
そう反論したのですが、、、。
「違うよ。科学的に、血液型と性格に相関関係はないんだから。血液型による性格占いを信じているのは日本だけだよ。血液型占いの本まで出版されているらしいね。日本人は本当にミステリアスだ。」
と論破されて、狐につままれたような気持ちになりました。
だって実際に私の職場では、「あの人はA型で几帳面だから仕事が丁寧」とか、「あの人はO型でマイペースだからピンチでも堂々としている」などの会話が普通に飛び交っているのです。
それで何も問題が起きないどころか、血液型によって性格の違いが説明できるので、むしろ人間関係の潤滑油のようになっています。
それが迷信とは、、、。
一体どういうことでしょう?
実は、友人の言っていたことは心理学で説明できるのです。
バーナム効果(Barnum effect): 星座占いなど個人の性格を診断するかのような準備行動が伴うことで、誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分、もしくは自分が属する特定の特徴をもつ集団だけに当てはまる性格だと捉えてしまう心理学の現象。
出典:Wikipedia
つまり、私たちは「あなたはA型なので、真面目な性格なんです。」と言われると、A型の人はそう思い込んでしまい、結果的に真面目な行動を選択するようになるということです。
これには、驚きました。
血液型による性格の4タイプが、思い込みだったなんて!!!
そしてさらに驚いたのが、バーナム効果は血液型の話にとどまらないということ。
私たちは普段から日常的にこれを使っているのです。
例えば、職場で上司から「あなたは段取りが悪く仕事が遅い」と注意されたら?
改善するどころか、上司のいう通りに仕事がスローペースになってしまうということです。
あるいは、母親が子どもに「あなたは性格が明るくて友達が多いね」といつも言っていたら?
子どもは「私は性格が明るいから誰とでも友達になれる」と思い込み、友達と積極的に関わって行くようになるということです。
これは、親として責任重大では?
だって使い方次第では、子どもの長所を見出し伸ばすことができるから。
例えば私たち親が、子どもに対してこんな風に話すとき。
「私たちは日本人だから、〜〜。」
「まだ高校生なんだから、〜〜。」
「あなたは女の子なんだから、〜〜。」
「〜〜」の部分について、良くも悪くも無意識のうちに子どもに暗示をかけているということになります。
そう考えると、延々と小言を言うなどは恐ろしい行為です。
何の効果もないどころか、否定的な思い込みを刷り込んで自信を失わせてしまうのですから。
これまで娘にどんな言葉をかけてきたかな?と考えると、反省するところが沢山あります。
今から言葉に気をつけます。
ちょっとした注意指摘にも親は配慮が必要ですね。
子どもに限らず、関わる人の良いところを引き出すために、言葉を用いたいものです。
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