OECD調査によれば、家事や育児などの無償労働時間の男女差って、日本が世界でもっとも開いているそうです。
記事によれば、家事や育児などの無償労働時間の割合が、日本男性を1とした場合、日本女性は5.5とのこと。つまり、日本では、女性が男性の5.5倍の家事や育児を行って、家庭をささえているというわけです。
無償労働時間が長いのは,イタリア女性(306分),スペイン女性(289分),ニュージーランド女性(264分)となっている。また無償労働時間が短いのは,比較国中,日本男性(41分),韓国男性(49分),イタリア男性(131分)となっている。無償労働時間のOECD平均は,女性262分,男性136分となっている。
どの国も無償労働時間は女性の方が長いが,男女比(男性を1とした場合の女性の比率)を見ると,男女比が大きいのは,比較国中,5.5倍の日本,4.4倍の韓国,2.3倍のイタリアとなっている。
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/column/clm_01.html
これをみて、以前テレビで、日本の男女の家事労働の格差是正を取り上げていたことを思い出しました。
まずVTRで日本人家庭の様子が紹介され、女性が一方的に家事と育児を担う様子が紹介されていました。
そういう紹介動画に対して、コメンテーターがひとしきり批判的意見を述べた後、男女平等が進んでいるお手本として、北欧の某国の子育てが紹介されました。
VTRでは子どもが一人いる夫婦の家庭が紹介されました。
夫婦は、家事や育児を完全に半分ずつ分担するため、それぞれの家事内容と時間をエクセルに記入し管理していたのです。
夫婦で「今週私は○時間余計にこなしたから、週末はあなたが○時間追加で」のような会話をしていました。
不満が出ないよう、双方で話し合って毎週末に調整し、毎週ぴったり半分ずつ家事も育児も分担するのだそうです。
コメンテーターさんたちは口々に、「素晴らしい。早く日本もこうなるべきだ。」と絶賛していました。
でも、私はなんだか違和感がありました。
なんでだろう?当人たちが満足しているんだからそれが一番のはず。
そう思ってぐるぐる考えていたのですが、やっとその理由がわかりました。
VTRに写っていた子どもが、(たまたまかもしれませんが)楽しそうじゃなかったのです。
子育ては、子どもが可愛くてたまらず、時間があっというまに過ぎてしまい、「はっ。もうこんな時間。しまった!」となるものと思っていました。
平等になるよう理屈で考え、頭で時間を計算しながらの子育ては、楽しいのかな?
子どもは、自分に対する親の愛情が、半分になるように制限されていたと知ったとき、悲しんだりしないのかな?
もし私がその子だったら、自分が両親の自由時間を奪う存在に思えて、申し訳ない気持ちになったかもしれません。
育児時間が計算されるなんて、まるで時給のアルバイトみたいではありませんか。
これ、本当に幸せなの?
夫婦それぞれの時間は確保できているようでしたが、それで子どもは、安心できているの?
そんな風に思ったのでした。
ただ、テレビで紹介されたのは、家族生活の一面なので、実際とは違うかもしれません。
子育てって、辛いことも多いけど、魂が震えるほど感動することが何度もあるし、やりがいや充実感に満たされるし、とても幸せになれる時間だと思うのです。
でも忙しく時間に追われていると、そういう気持ちも無くしがち。
親の余裕って大事だと思います。
親が余裕を持って子育てするために、時間だけでなく、心のあり方も大事な気がします。
こういう家庭の問題について、心理学の面から解明してみたいです。
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